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花束をいただいた理由(旧HPより転載)

遠方から出張で豊田に滞在されていたという男性Kさん。

「こういうお店に寄るのは、オヤジには勇気がいるんですよね。」
とおっしゃるので、
「都会にはこういうお店もたくさんあるのではないですか?三河の
オヤジ達(三河のオヤジ様達、ゴメンなさい)よりも余程慣れてら
っしゃるのでは?」
と言いましたら「どこへ行ってもオヤジはオヤジですキッパリ」
なんて軽口を叩き。

そんな他愛もない会話をしていたら、彼はポツリと
「こんな普通の会話をしたのは何日ぶりだろう」と言いました。
普段から機械や設備に向かってばかりで、家に帰っても一人。
普通の会話を楽しむ機会がほとんどないようでした。

とても暇な時間帯でもあり(誰ですか、いつも暇だろうと思った人)、
私は車の外に出て、Kさんと話を続けました。

最初は仕事の話。そこからなんとなく彼は身の上話を始めました。

不遇な子供時代だったそうです。親に甘えられる環境ではなく、でも
妹さんと二人で支えあって大人になり、妹さんは幸せな結婚をし、ダ
ンナ様と二人の子供さん達、絵に描いたような幸せな生活を送ってい
て、兄として妹さんの幸せな生活が、そのまま自分の生きる張り合い
だったそうです。
脳梗塞の母親の介護を10年間、一人で続けて、何年か前にその母親を
看取り、その後は一人暮らし。妹さんの幸せな生活だけが、本当に自分
の支えだったと。

なのにその妹さんは、昨年の暮れに突然の交通事故で亡くなってしまっ
たと。

もう今は、一体なんのために、仕事をしているのか、自分は何のために
生きているのか、生きる目的がないって辛いです、と。

彼は話を続けました。

母親の脳梗塞も、たまたまその日の朝に、喧嘩して母親は怒って自分の
部屋にこもってしまい、しばらくして、大きな物音が聞こえて(それが
倒れた時だったらしい)、でも自分も怒っていたので、母親の部屋を覗
くこともなく一昼夜放置。翌日、全く部屋から出てこないのでさすがに
気になって部屋を覗いたら、目は開けているけど動けない母親が。

あの時すぐに気付いて救急車を呼んでいれば、と、懺悔しつつの介護。
どう思い出しても、自分を責める以外にないと。

途中から、Kさんの話に、冷静でなくなっていく自分を感じました。

Kさんの年齢と、ずっと独身で母親を介護してきたというその身の上が
この春に自殺した私の友人と全く同じで。

Kさんの、母親に対する後悔の気持ちが、私の友人が自殺する直前に
最後に会いに来てくれて、辛い気持ちを打ち明けてくれたのに、気遣っ
てあげられなかった、私の後悔の気持ちと全く同じで。

どういうご縁なのでしょうか。
とても偶然とは思えず、「実は・・」と自殺した友人の話をしたら、

「実は自分も、家に帰ったら死のうと思ってた」
と涙をポロポロとこぼしながら告白してくれました。
「でもあなたに聞いてもらえて嬉しかった。母親の事も他人に話した
ことがなかったし、妹の事も聞いてもらえる人もいなかった」と。

「ちょっと買い物をしてくるので、荷物を預かってもらえませんか」
と言われ、しばらくして戻ってきた彼は、抱えきれないほどの、カスミ
ソウだけの花束をくださって、帰っていかれました。

Kさん、必ずまたお会いしましょう。お待ちしています。

(2006.12 旧HPより転載)
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プロフィール

Lazy Betty

Author:Lazy Betty
元・移動カフェオーナーの新たな野望を実現させるまでの軌跡(奇跡じゃないよ)のブログです。

愛知県豊田市駅前にてコーヒー屋台(移動カフェ)営業をしておりました。
その3年間に渡る定点観測の経験から、駅周辺に集う人々が何を求め、どんな場所を必要としているかを観察し続けた先にあるものを共有できれば幸いです。

2009年12月~2010年11月まで、豊田市駅近くの「Bar old kenny」にて、昼間カフェ部門として「The third place」を展開しておりました。現在はフリーで、傾聴屋、デリバリーのコーヒーサービスをお請けしております。

家庭ではなく、職場でもない、お客様にとって三番目の居場所を作りたいと思っています。しがらみのない、肩書きも必要ない、そんな緩やかな時間をお過ごしください。

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